熊本の外国人材紹介で成功する！日本語要件の定め方と選考のポイント

日本語能力試験（JLPT）と現場で必要な日本語力

外国人材の日本語力を測る客観的な指標として、日本語能力試験（JLPT）は広く知られています。しかし、この試験は筆記や聴解能力が中心であり、合格しているからといって必ずしも実際の現場で求められるコミュニケーション能力が高いとは限りません。例えば、N3レベルは日常会話がある程度可能とされますが、専門用語や指示の理解、敬意を払った表現を使いこなすには練習が必要です。したがって、JLPTの級数はあくまで一つの目安として捉え、実際の業務におけるコミュニケーション能力を別途評価する選考プロセスが不可欠です。

実践的な会話力を見極める面接での質問と評価のポイント

面接は、求職者の日本語能力を直接的に評価する貴重な機会です。

自己紹介や志望動機

複雑な文法や単語ではなく、自分の考えをシンプルかつ明確に伝えられるかを確認します。

業務内容に関する質問

事前に業務内容を説明し、それに対する理解度を質問することで、聴解力と業務遂行能力を測ります。

状況設定を用いた質問

例えば、「お客様からクレームがあったらどう対応しますか？」といった状況を設定することで、応用力や問題解決能力に加え、適切な敬語表現を使えるかを見極めます。

これらの質問を通じて、単なる語学力だけでなく、職場でのコミュニケーションに欠かせない実践的な日本語力を評価できます。

業務内容と日本語レベルを紐づけた要件の記載

求人票に日本語要件を記載する際は、「日本語が堪能な方」といった漠然とした表現は避けるべきです。代わりに、具体的な業務内容と必要な日本語レベルを紐づけて記述します。例えば、介護施設での採用であれば「利用者様やご家族との日常会話がスムーズにできる方」、農業であれば「作業指示を正確に理解し、報告ができる方」といったように、業務に直結したスキルを要件として示します。これにより、応募者は自身の日本語力が求められる業務に適合しているか判断しやすくなります。

JLPTの表記方法と業務遂行能力の補足

求人票にJLPTの級数を記載する場合は、その級がどの程度の日本語能力を意味するのか、具体的な業務例とともに補足することが重要です。例えば、「JLPT N3以上：チームメンバーとの簡単な会話や、業務連絡の読み書きができるレベル」と記載することで、応募者は自身のスキルが適切か判断しやすくなります。また、日本語の試験だけでなく、日本語での履歴書の作成や面接が必要であることを求人票に明記することで、応募者の準備を促し、より真剣な人材を募ることが可能です。

OJTを通じた実践的な日本語力向上

入社後の日本語研修は、座学だけでなくOJT（オンザジョブトレーニング）を積極的に取り入れることが非常に有効です。実際の業務を通して日本語を学ぶことで、専門用語や現場特有の言い回しを効率的に習得できます。例えば、介護であれば「車椅子に乗り降りする」「体位を変える」といった具体的な動作とセットで言葉を教えることで、理解が深まります。また、先輩社員が積極的に話しかけたり、質問しやすい環境を整えたりすることで、業務上のコミュニケーションだけでなく、職場全体の雰囲気に慣れてもらうことも可能です。

多文化共生を促す社内環境とサポート体制

日本語能力の向上には、学習意欲を維持できる環境づくりが不可欠です。例えば、業務でよく使う言葉やフレーズをまとめた多言語対応のチェックリストやマニュアルを用意するとよいでしょう。また、定期的な日本語学習の時間を設けたり、資格取得を奨励する制度を導入したりすることも有効です。さらに、文化や習慣の違いを理解し、外国人材が安心して相談できる窓口や担当者を設けることで、仕事だけでなく生活面での不安も軽減され、結果的に長期的な定着につながります。