特定技能2号とは?1号との違いと取得条件や受け入れ企業の準備を解説

「特定技能1号で5年働いてもらえば、そのまま2号に切り替えて長く働いてもらえるはず」。2号になれば在留期間の上限がなくなると紹介されることが多いため、1号の期間が終われば自然に2号へ移れると考えている経営者の方も多いはずです。

しかし、登録支援機関として特定技能外国人と受け入れ企業の双方を支えてきた株式会社あゆみの立場から言えるのは、特定技能2号は「1号の延長」ではなく、1号の5年間に指導や管理の経験を積み、試験に合格して初めて手が届く資格だということです。2号を目指すかどうかは、1号の受け入れを始めた時点から考えておく必要があります。

本記事では、特定技能2号の仕組みと1号との違い、対象となる11分野と取得の条件、受け入れ企業から見たメリット、1号から2号へ移る流れまで、特定技能の支援に携わる立場からお伝えします。

目次

特定技能2号とは

特定技能2号とは、特定の産業分野で熟練した技能を持つ外国人が、在留期間の上限なく日本で働ける在留資格です。1号が「相当程度の知識または経験」を持つ人向けの資格であるのに対し、2号は現場で他の作業員を指導し、工程や店舗を管理できる水準の技能を持つ人を対象にしています。

2号の外国人は、在留期間の更新を続ければ日本で働き続けることができ、条件を満たせば配偶者と子を日本に呼んで一緒に暮らせます。受け入れ企業に1号のような支援計画の実施義務はなく、日本人の熟練した従業員に近い立場で働くことになります。

2号の在留者は増えています。出入国在留管理庁の公表では、2025年末時点の2号の在留者は7,955人で、半年前の約2.6倍になりました。1号の在留者と比べればまだ少数ですが、1号で数年働いた人が2号の試験に挑む時期を迎えており、今後も増えていくと見ています。

特定技能1号と2号の違い

特定技能1号と2号の違いは、求められる技能の水準に加えて、在留期間、家族の帯同、支援の義務、永住申請との関係に表れます。

項目特定技能1号特定技能2号
技能の水準相当程度の知識または経験熟練した技能(指導や管理ができる水準)
在留期間通算で原則5年まで更新を続ければ上限なし
家族の帯同原則として不可配偶者と子は可
受け入れ企業の支援支援計画の実施が義務義務なし
永住申請との関係就労資格での在留期間に含まれない就労資格での在留期間に含まれる
対象分野16分野(新3分野は2027年度以降に開始予定)11分野

永住の許可を受けるには、原則として10年以上日本に住み、そのうち5年以上は就労資格などで在留していることが求められます。1号の期間はこの「就労資格での5年」に数えられないため、永住を視野に入れる人にとって、2号への移行は大きな意味を持ちます。ただし、永住の許可には収入や納税、社会保険料の納付などの要件もあり、2号になれば永住が認められるわけではありません。

特定技能2号の対象となる11分野

特定技能2号の対象は、次の11分野です。どの分野でも、2号の評価試験などへの合格と、現場で指導や管理を担った実務経験が求められ、経験の中身は分野ごとに定められています。

分野求められる実務経験の主な内容
ビルクリーニング複数の作業員を指導しながら現場を管理した経験(2年以上)
工業製品製造業班長などとして複数の技能者を指導し、製造工程を管理した経験
建設班長などとして複数の技能者を指導し、工程を管理した経験
造船・舶用工業班長などとして複数の技能者を指導し、工程を管理した経験
自動車整備点検や整備に加え、他の整備要員を指導した経験
航空現場で他の要員を指導しながら業務を行った経験
宿泊複数の従業員を指導しながら、現場を管理した経験
農業栽培や飼養を管理する業務、またはその補佐としての経験
漁業操業を指揮する人の補佐や、操業を管理した経験
飲食料品製造業複数の従業員を指導しながら、工程を管理した経験
外食業複数の従業員を指導しながら、店舗を管理した経験

実務経験の年数や数え方は分野ごとに違い、建設のように職種ごとの就業日数で定めている分野もあります。受け入れている人がどの基準に当てはまるかは、分野を所管する省庁や試験の実施機関の案内で確認してください。

介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、2027年度以降に受け入れが始まるリネンサプライ・物流倉庫・資源循環は、2号の対象に含まれていません。介護分野で長く働き続ける道としては、介護福祉士の国家資格を取って在留資格「介護」へ移るルートが用意されています。

特定技能2号を取得する3つの条件

特定技能2号へ移るには、試験への合格、指導や管理の実務経験、分野によっては日本語試験への合格という3つの条件を満たす必要があります。

2号の評価試験などに合格していること

技能の条件は、分野ごとの特定技能2号評価試験か、技能検定1級などへの合格で満たします。試験は1号の試験より難しく、現場の作業だけでなく、工程の管理や後輩への指導、安全の確保といった管理者として必要な知識も問われます。

試験の申し込みを受け入れ企業が行う分野や、受験の前に企業が実務経験を証明する書類を出す分野もあります。本人だけで準備を進めることは難しいため、受験の時期や手続きを企業と本人で一緒に確認しておくことが欠かせません。

指導や管理の実務経験があること

実務経験は、ただ同じ仕事を長く続けた経験ではなく、複数の作業員を指導したり、工程や店舗を管理したりした経験を指します。1号の外国人がこの経験を積むには、受け入れ企業が班長や副リーダーといった役割を任せることが前提になります。

経験を証明する書類は受け入れ企業が作成するため、いつから、どのような立場で指導や管理を任せたかを記録に残しておくと、申請の段階で困りません。

分野によっては日本語試験に合格していること

外食業と漁業の2号では、日本語能力試験のN3以上への合格も求められます。N3は、日常の場面で使われる日本語をある程度理解できる水準です。

出入国在留管理庁は、2027年4月1日以降に海外から2号で呼び寄せる申請について、B1相当以上の日本語能力の確認を始めると公表しています。国内で1号から2号へ変更する申請への適用時期は検討中とされているため、今後の発表に注意が必要です。

受け入れ企業から見た2号の3つのメリット

特定技能2号の外国人を雇うことには、受け入れ企業にとって3つのメリットがあります。

在留期間の上限がないこと

2号の外国人には在留期間の通算の上限がないため、更新を続ければ長く働いてもらうことができます。1号のように5年で帰国や別の在留資格への切り替えを考える必要がなくなり、人員の計画を長い目で立てられます。

支援計画の実施が不要になること

2号の外国人については、1号で義務付けられている10項目の支援や、支援を登録支援機関に委託する費用が不要になります。ただし、生活の相談や職場での悩みへの対応が要らなくなるわけではなく、本人や家族が困ったときに相談できる体制は引き続き大切です。

現場の指導役を任せられること

2号の外国人は、指導や管理の経験を持つ熟練した人材です。後から入ってきた1号の外国人の指導役を任せれば、母語で仕事の手順を伝えられるため、新しく来た人が職場に慣れる時間を短くできます。

注意点
2号の外国人は日本人と同じように転職がしやすくなり、家族と暮らすための住まいの確保なども必要になります。待遇や役割が経験に見合っているかを見直しておかないと、他社へ移る理由になりかねません。

特定技能1号から2号へ移る流れ

特定技能1号から2号へは、在留資格の変更許可申請によって移ります。1号の在留期限が近づいてから準備を始めると間に合わないことがあるため、次の流れを早めに確認しておく必要があります。

  1. 本人の業務が2号の対象分野と業務区分に当てはまるかを確認する
  2. 指導や管理の役割を任せ、分野ごとに定められた実務経験を積む
  3. 2号の評価試験などの申し込みと受験、分野によっては日本語試験の受験
  4. 雇用契約の内容を2号に合わせて見直し、実務経験を証明する書類を準備する
  5. 出入国在留管理庁へ在留資格の変更許可を申請する
  6. 許可を受けた後、1号の支援計画や登録支援機関との委託契約を終了・変更し、必要な届出を行う

1号の通算の在留期間は原則5年ですが、2号への移行に必要な試験で合格基準点の8割以上を得たものの不合格だった場合など、所定の条件を満たす人には通算6年まで在留を認める特例があります。特例を使えるかは分野ごとに条件が違うため、早い段階で試験の結果と在留期限を照らし合わせておくことが大切です。

在留資格の申請書類の作成や申請の取次は、行政書士が担う業務です。申請の可否の判断が必要な場合は、担当の行政書士に確認してください。

特定技能2号の外国人を採用する2つの方法

特定技能2号の外国人を雇う方法は、自社で働く1号の外国人を2号へ育てる方法と、すでに2号の資格を持つ人や2号の試験に合格した人を新たに採用する方法の2つです。

自社の1号の外国人を2号へ育てる方法は、仕事の進め方や職場の人間関係を知っている人材に長く働いてもらえる点が強みです。一方で、2号に必要な指導や管理の経験を1号の期間中に積ませる必要があり、計画的な育成が前提になります。

すでに2号の資格を持つ人を採用する方法は、熟練した人材をすぐに迎えられる点が強みです。ただし2号の在留者はまだ少なく、他社で経験を積んだ人を採用するには、待遇や役割で選ばれる職場である必要があります。海外で2号の試験に合格した人を呼び寄せる場合は、海外での実務経験の証明や、2027年4月以降の日本語能力の確認など、国内での変更とは違う準備が必要になります。

方法向いている企業主な準備
自社の1号を2号へ育てるすでに1号を受け入れ、長く働いてほしい人材がいる企業指導や管理の役割を任せ、試験の時期を計画する
2号の人材を新たに採用する熟練した人材を早く確保したい企業経験に見合う待遇と役割、家族で暮らせる住まいを用意する

どちらの方法でも、在留資格の変更や認定の申請が必要です。申請書類の作成は行政書士に相談しながら進めると、手戻りを防げます。

2号を見据えた1号の受け入れ方

特定技能2号を目指すかどうかは、1号の受け入れが始まった時点で決めておくと、5年間の使い方が大きく変わります。2号に必要な指導や管理の経験は1号の期間中にしか積めないため、入社して数年たってから慌てて役割を与えても、在留期限までに経験の年数が足りなくなることがあるからです。

農業分野であれば、栽培の管理や作業の段取りを少しずつ任せ、3年目ごろには後輩への指導を含む役割を持ってもらうと、2号の条件に向けた経験を計画的に積めます。介護分野は2号の対象外のため、長く働いてもらうには、実務経験を積みながら介護福祉士の国家試験の受験資格を得る道を、早いうちから本人と話し合っておく必要があります。

2号へ移ると、本人が家族を日本に呼ぶことも視野に入ります。単身向けの住まいから家族で暮らせる住まいへの引っ越しや、子どもの学校、配偶者の生活の立ち上げなど、1号のときとは違う準備が必要になります。久留米市や大牟田市、柳川市のような地域で家族と暮らしてもらうには、住まいや学校の情報を早めにそろえておくことが、本人がこの地域に根を下ろすかどうかを左右すると見ています。

2号は試験の名前ではなく、1号の5年間をかけて企業と本人が一緒に育てていく目標として捉えることが、熟練した人材に長く働いてもらうための出発点です。

特定技能外国人の受け入れと定着について相談する

1号の受け入れ準備から、入職後の相談対応、長く働いてもらうための生活の支えまで、特定技能外国人の受け入れで迷う点があれば、株式会社あゆみにご相談ください。

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お電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)

株式会社あゆみの特定技能外国人支援

株式会社あゆみは、福岡県みやま市に拠点を置く登録支援機関で、特定技能1号外国人の受け入れ準備から入国後の生活、入職後の相談までを一貫して支援しています。2号を目指す人材の土台となる1号の5年間を、受け入れ企業と外国人材の双方の立場から支えます。

主な支援の内容は次のとおりです。

  • 受け入れに関するご相談と、必要な準備・支援内容のご案内
  • 入国時の送迎、住居と家具・家電の手配
  • 携帯電話の契約、住民票などの登録手続き、銀行口座の開設のサポート
  • 日本語学習のサポート
  • 入職後の生活上の相談とトラブルへの対応

対応している外国人材はインドネシアとミャンマーの方で、英語・インドネシア語・ミャンマー語で支援を行います。インドネシアで働いた経験を持つ支援責任者が、受け入れ企業と外国人材の双方の立場を踏まえて対応している点も、あゆみの特徴です。入国に必要な書類の作成は提携行政書士へ依頼でき、在留手続きは行政書士、生活と仕事の支援はあゆみと役割を分けて進めます。

よくある質問

特定技能2号の試験は1号より難しい?

特定技能2号の試験は、1号の試験より難しい内容です。現場の作業に加えて、工程の管理や後輩の指導、安全の確保など、管理者に求められる知識が問われます。試験の内容や実施時期は分野ごとに違うため、各分野の試験実施機関の案内で確認してください。

特定技能2号になれば永住権が得られる?

特定技能2号になっただけで、永住権が得られるわけではありません。2号の在留期間は永住の要件である「就労資格での5年以上の在留」に数えられますが、原則10年以上の在留や、収入、納税、社会保険料の納付などの要件も満たす必要があります。

介護分野の特定技能外国人は2号になれる?

介護分野の特定技能外国人は、2号になることはできません。介護は2号の対象分野に含まれていないため、介護福祉士の国家資格を取得し、在留資格「介護」へ移ることで、在留期間の上限なく働き続ける道があります。

2号の外国人にも生活の支援は必要?

2号の外国人に、受け入れ企業が支援計画を実施する義務はありません。ただし、家族を呼び寄せた後の住まいや子どもの学校など、生活の相談が必要になる場面は増えるため、相談に応じる体制を社内に用意しておくと安心です。

2号の外国人の給与はどう決める?

2号の外国人の給与は、同じ業務に就く日本人と同等以上であることが求められます。2号の人は指導や管理を担う熟練した人材のため、班長や副店長といった役割に見合った給与と手当を設定し、昇給の基準も日本人の従業員と同じものを当てはめることが前提になります。

まとめ|1号の5年間で育てる特定技能2号

特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人が在留期間の上限なく働ける在留資格です。対象は11分野で、2号の評価試験などへの合格と、指導や管理の実務経験が求められ、外食業と漁業では日本語試験への合格も必要です。介護は2号の対象外で、介護福祉士を取得して在留資格「介護」へ移る道があります。

株式会社あゆみは、登録支援機関として特定技能1号外国人と受け入れ企業の双方を支えてきました。2号に必要な経験は1号の期間中にしか積めないため、受け入れの段階から役割の与え方と試験の時期を計画し、本人と企業が同じ目標を持って5年間を過ごすことが、熟練した人材に長く働いてもらうための準備になります。

初めての特定技能外国人の受け入れを相談する

これから特定技能外国人の受け入れを始める企業の方は、株式会社あゆみへご相談ください。インドネシア・ミャンマーの人材の受け入れ準備から、入国後の生活支援、入職後の相談対応まで一貫して支援します。

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