登録支援機関とは?役割と10の義務的支援から費用や選び方まで解説
「登録支援機関は、外国人を紹介してくれて、あとは書類を出してくれる会社」。特定技能の受け入れを調べ始めると、人材の紹介や申請の代行と一緒に登録支援機関が紹介されることが多いため、そうした印象を持つ経営者の方も多いはずです。
しかし、2023年に外国人人材支援事業を始め、登録支援機関として受け入れ企業と外国人材の双方を支えてきた株式会社あゆみの立場から言えるのは、登録支援機関の本来の役割は、特定技能外国人が日本で働き、暮らしていくための「生活と仕事の支援」を、受け入れ企業に代わって担うことだということです。どこに委託するかによって、入国後の生活の立ち上がりや、困ったときの相談のしやすさが大きく変わります。
本記事では、登録支援機関の役割と義務的支援の内容、委託が必要になる場合、費用の考え方、選び方のポイント、2027年4月からの制度の変更まで、登録支援機関の立場からお伝えします。
登録支援機関とは
登録支援機関とは、特定技能1号の外国人を受け入れる企業から委託を受けて、その外国人への支援を行う機関で、出入国在留管理庁長官の登録を受けています。特定技能制度が始まった2019年4月に設けられた仕組みで、登録の有効期間は5年です。
特定技能1号の外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、入国前から帰国までの生活と仕事を支える「1号特定技能外国人支援計画」を作り、実施する義務があります。登録支援機関は、この支援計画の全部の実施を企業から委託され、企業に代わって支援を行います。
登録支援機関になれるのは、法人だけではありません。業界団体、民間の会社、社会保険労務士や行政書士などの個人も、要件を満たせば登録を受けられます。出入国在留管理庁は登録支援機関の一覧を公開しており、所在地や対応できる言語、支援を行える分野を確かめることができます。
登録支援機関と監理団体の違い
登録支援機関と混同されやすいのが、技能実習制度の監理団体です。
| 項目 | 登録支援機関 | 監理団体 |
|---|---|---|
| 対象となる制度 | 特定技能(1号) | 技能実習(2027年4月以降は育成就労の監理支援機関へ) |
| 主な役割 | 外国人への生活と仕事の支援 | 受け入れ企業の監理と実習の指導 |
| 設立の形態 | 法人・個人を問わない | 非営利の団体(事業協同組合など) |
| 受け入れ企業との関係 | 委託契約により支援を行う | 受け入れ企業は団体の組合員などになる |
登録支援機関は、外国人本人への支援を担う機関であり、受け入れ企業を監督する役割は持っていません。技能実習から特定技能へ移る外国人を受け入れる場合は、それまでの監理団体から登録支援機関へ、支援を担う相手が変わることになります。
登録支援機関が行う10の義務的支援
登録支援機関が企業から委託を受けて行う支援は、法令で実施が義務付けられた「義務的支援」が中心です。義務的支援は、次の10項目からなります。
| 支援の項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 事前ガイダンス | 雇用契約や業務の内容、入国の手続きなどを入国前に説明 |
| 出入国する際の送迎 | 入国時は空港から事業所や住居まで、帰国時は空港の保安検査場まで同行 |
| 住居確保と生活に必要な契約の支援 | 住居探しの手助け、銀行口座・携帯電話・電気やガスなどの契約の支援 |
| 生活オリエンテーション | 交通ルール、ごみの出し方、医療機関のかかり方、災害時の行動などの説明 |
| 公的手続きへの同行 | 住民登録、社会保険、税金などの手続きへの同行と書類作成の手助け |
| 日本語学習の機会の提供 | 日本語教室や教材などの情報提供と学習機会の案内 |
| 相談や苦情への対応 | 仕事や生活の相談に、本人が理解できる言語で対応 |
| 日本人との交流促進 | 地域の行事やボランティア活動への参加の案内 |
| 転職支援 | 会社都合で契約を終える場合の、次の受け入れ先探しの手助け |
| 定期的な面談と行政機関への通報 | 3か月に1回以上の面談と、法令違反を把握した際の通報 |
義務的支援の多くは、外国人本人が十分に理解できる言語で行う必要があります。登録支援機関を選ぶときは、受け入れる人の母語に対応できるかどうかが重要な判断材料になります。
義務的支援にかかる費用を、外国人本人に直接または間接に負担させることはできません。登録支援機関への委託費用は、受け入れ企業が負担するものです。
義務的支援と任意的支援の違い
義務的支援のほかに、法令で必須とはされていないものの、外国人の生活や仕事を支えるために行うことが望ましい「任意的支援」があります。家具や家電の手配、日本語学習の継続的なサポート、休日の過ごし方の案内などがその例です。
どこまでの支援を委託の範囲に含めるかは、登録支援機関ごとに違います。同じ月額料金でも、任意的支援まで含まれているかどうかで実際の負担は大きく変わるため、契約前に支援の範囲を書面で確かめることが欠かせません。
登録支援機関への委託が必要になる場合
受け入れ企業が支援を自社で行えない場合は、支援の全部を登録支援機関に委託する必要があります。自社で支援を行うには、次のような基準を満たさなければなりません。
- 過去2年間に外国人を受け入れた実績がある、または外国人の生活相談に携わった役職員がいること
- 支援責任者と支援担当者を選任し、支援を適切に行える体制があること
- 外国人が十分に理解できる言語で支援を行えること
- 過去に支援を怠ったことがないなど、欠格事由に当たらないこと
初めて外国人を受け入れる企業や、外国人の母語で相談に応じられる職員がいない企業は、自社支援の基準を満たすことが難しいため、登録支援機関に委託するのが一般的です。支援の全部を登録支援機関に委託すれば、支援体制の基準は満たしているものとして扱われます。
自社で支援を行う場合も、義務的支援の内容は委託する場合と変わりません。社内に担当者を置き、面談や相談への対応、届出などを継続して行う手間と、委託する費用とを比べて判断します。
登録支援機関の費用の考え方
登録支援機関への委託費用には、全国で決まった料金はなく、機関ごとに設定されています。費用は、主に次の3つに分かれます。
| 費用の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 受け入れ前の準備、事前ガイダンス、入国時の送迎、生活の立ち上げなど |
| 月額の支援委託費 | 定期的な面談、相談への対応、届出の作成支援など、継続して行う支援 |
| その他の費用 | 在留資格の申請や更新の書類作成(行政書士の業務)、通訳の手配など |
月額の支援委託費は機関によって大きく異なり、支援の範囲や対応する言語、受け入れる人数によって変わります。初期費用や申請にかかる費用が月額と別になっているかどうかも、機関によって違います。
費用を比べるときは、月額の金額だけを見るのではなく、初期費用、更新時の費用、任意的支援の範囲を含めた総額で比べることが大切です。とりわけ見落とされがちなのが、送迎や役所への同行、夜間の緊急対応などが「別料金」になっていないかという点で、受け入れ後に追加の費用が重なると、当初の見込みより負担が大きくなります。
登録支援機関を選ぶ5つのポイント
登録支援機関を選ぶときは、次の5つのポイントを確かめておくと、受け入れ後のすれ違いを防げます。
受け入れる人の母語で支援できること
義務的支援の多くは、本人が理解できる言語で行う必要があります。受け入れる人の国籍に合わせて、その言語で相談や面談に応じられる担当者がいるかを確かめます。通訳を外部に頼む機関の場合は、急な相談のときにどこまで対応できるかも聞いておきます。
事業所の近くで動ける体制があること
入国直後の送迎や役所への同行、住居のトラブル、急な病気や事故への対応など、支援には現地へ足を運ぶ場面が多くあります。本社が遠方にある機関では、移動に時間がかかったり、出張の費用が別にかかったりすることがあります。受け入れる事業所の近くに拠点があるか、急ぎのときにどのくらいで来てもらえるかを確かめておくと安心です。
支援の範囲と費用の内訳が明確なこと
支援委託契約書に、どの支援を、どの頻度で、いくらで行うかが具体的に書かれているかを確かめます。義務的支援のどの項目を委託するのか、任意的支援はどこまで含まれるのか、追加の費用が発生するのはどのような場合かを、契約前に書面で確認します。
受け入れたい分野の支援経験があること
介護や農業など、分野によって働き方や生活の環境は大きく違います。受け入れたい分野で支援の経験があるか、分野ごとの協議会への加入や届出の手続きに慣れているかを聞いておくと、受け入れの準備が円滑に進みます。
在留手続きを担う専門家との連携があること
在留資格の申請書類の作成や申請の取次は、行政書士などの専門家が担う業務です。登録支援機関が行政書士と連携しているか、申請から生活の支援までを一つの窓口で相談できるかを確かめておくと、手続きの抜けや遅れを防げます。
登録支援機関を選ぶときは、費用の安さだけでなく、母語での相談、事業所の近くでの対応、支援の範囲の明確さをあわせて比べることが、入国後の生活の立ち上がりと定着を左右します。
2027年4月からの登録支援機関の要件の変更
2025年に公布された省令の改正により、2027年4月1日から、登録支援機関の体制に関する要件が厳しくなります。主な変更点は次のとおりです。
- 支援を行う事務所ごとに、常勤の役員や職員の中から支援責任者と支援担当者をそれぞれ1名以上選任すること
- 支援責任者などの1人あたりが支援できる1号特定技能外国人を50人未満、支援の委託を受けられる企業を10社未満とすること
- 支援責任者に、支援の能力を高めるための養成講習の受講を義務付けること(経過措置あり)
この変更は、担当者1人が多くの外国人を抱え、面談や相談への対応が形だけになることを防ぐためのものです。受け入れ企業にとっても、委託先の担当者が何人の外国人と何社の企業を受け持っているかを確かめる目安になります。担当者の数に余裕のない機関では、2027年4月以降に新しい受け入れを断られたり、担当者が変わったりする可能性もあるため、委託先を選ぶ段階で体制を聞いておくことをおすすめします。
地域に根ざした登録支援機関を選ぶ意味
登録支援機関の支援は、契約書の上では「10項目の実施」ですが、実際の仕事は、外国人材が日本で暮らし始めてから毎日のように起きる小さな困りごとへの対応の積み重ねです。入国した日の夜に電気がつかない、病院で症状をうまく伝えられない、近所の人とごみの出し方で行き違いがあった、といった出来事は、どれも事前に予定できません。
登録支援機関として九州の企業と外国人材を支援してきた立場から見ると、こうした困りごとにすぐ駆けつけられるかどうかが、外国人材が「この地域で働き続けたい」と思えるかを大きく左右すると感じています。地元の地理や病院、役所の窓口、住まいの事情を知っている機関であれば、一つひとつの対応を短い時間で済ませることができます。
登録支援機関は書類の上の委託先ではなく、外国人材にとっての地域の相談相手であり、その近さと速さが受け入れの成否を分けます。
登録支援機関への支援委託を相談する
特定技能外国人の受け入れで、支援をどこに委託するか検討している企業の方は、株式会社あゆみにご相談ください。支援の範囲や進め方をご説明したうえで、企業の状況に合わせた受け入れの準備をご案内します。
問い合わせフォームで相談するお電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)
株式会社あゆみの登録支援機関としての支援
株式会社あゆみは、福岡県みやま市に拠点を置く登録支援機関(登録番号 22労-008090)です。2023年に外国人人材支援事業を始め、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、鹿児島県の企業を対象に、特定技能外国人の受け入れ準備から入職後の相談までを支援しています。
あゆみの支援の特徴は次のとおりです。
- 地域密着のフットワークを生かし、相談から入職後の支援までスピーディーに対応
- インドネシア駐在経験のある支援責任者が対応し、英語・インドネシア語・ミャンマー語で支援
- 入国時の送迎、住居と家具・家電の手配、携帯電話や銀行口座、住民票などの手続きまで一貫してサポート
- 無駄を省いたシンプルな料金体系
あゆみは、企業の人手不足を解消することと、働く外国人の幸せの両方を大切にし、健全に外国人人材支援事業を行うことを理念に掲げています。入国に必要な書類の作成は提携行政書士へ依頼でき、在留手続きは行政書士、生活と仕事の支援はあゆみと、役割を分けて進めます。料金は採用人数や支援の内容によって異なるため、詳しくはお問い合わせください。
よくある質問
登録支援機関は途中で変更できる?
登録支援機関は、受け入れの途中でも変更できます。支援委託契約を終了して新しい登録支援機関と契約し、出入国在留管理庁へ支援計画の変更などの届出を行います。届出には期限があるため、変更の手続きは新旧の登録支援機関と連携して進めます。
登録支援機関に委託すれば企業は何もしなくてよい?
登録支援機関に委託しても、受け入れ企業の責任がなくなるわけではありません。雇用契約を守ること、日本人と同等以上の報酬を支払うこと、出入国在留管理庁への届出を行うことなどは受け入れ企業の義務です。職場での指導や日々の声かけも、受け入れ企業が担います。
特定技能2号の外国人にも登録支援機関は必要?
特定技能2号の外国人については、支援計画を実施する義務がないため、登録支援機関への委託は必要ありません。ただし、家族を呼び寄せた後の生活の相談などが必要になる場面はあり、任意で支援を依頼することはできます。
登録支援機関の登録の有無はどこで確かめられる?
登録支援機関の登録の有無は、出入国在留管理庁のホームページで公開されている登録支援機関の一覧で確かめられます。一覧には、登録番号、所在地、対応できる言語、支援を行える分野などが掲載されています。
まとめ|近さと母語で選ぶ登録支援機関
登録支援機関は、特定技能1号の外国人を受け入れる企業から委託を受け、10項目の義務的支援を中心に外国人の生活と仕事を支える機関です。委託費用は機関ごとに異なり、支援の範囲を含めた総額で比べることが大切です。2027年4月からは、担当者1人あたりの支援人数に上限が設けられるなど、登録支援機関の体制の要件が厳しくなります。
株式会社あゆみは、2023年に外国人人材支援事業を始めて以来、登録支援機関として受け入れ企業と外国人材の双方に向き合ってきました。受け入れる人の母語で相談でき、事業所の近くですぐに動ける登録支援機関を選ぶことが、外国人材が安心して働き続けるための土台になります。
初めての特定技能外国人の受け入れを相談する
これから特定技能外国人の受け入れを検討している企業の方は、株式会社あゆみへご相談ください。インドネシア・ミャンマーの人材の受け入れ準備から、入国後の生活支援、入職後の相談対応まで一貫して支援します。
問い合わせフォームで相談するお電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)
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