特定技能の外食業とは?受け入れ停止の内容と今選べる採用方法を解説

「特定技能の外食なら、試験に合格した留学生や海外の人材を今すぐ店で雇える」。外食業は特定技能の中でも受け入れが多い分野として知られ、飲食店の人手不足を補う手段として紹介されてきたため、今もそう考えている経営者の方は多いはずです。

しかし、特定技能外国人の受け入れを支援する登録支援機関として、受け入れの相談に応じてきた株式会社あゆみの立場から言えるのは、特定技能の外食業は2026年4月から新しい受け入れが止まっており、「誰を、どの制度で迎えられるか」を確かめてから採用の計画を立てる必要があるということです。すでに外食業で働いている人の転職や、2号への移行など、今も選べる道は残されています。

本記事では、特定技能「外食業」の制度の内容と従事できる業務、2026年4月からの受け入れ停止の内容、停止後も選べる採用の方法、給食業務の見直しの動きまで、2026年10月時点の情報をもとにお伝えします。

目次

特定技能「外食業」とは

特定技能「外食業」とは、飲食店などで調理や接客、店舗の管理を担う外国人を受け入れるための特定技能の分野です。所管は農林水産省で、2019年4月の制度開始とともに対象分野になりました。

外食業の特定技能外国人は、レストランや居酒屋、ファストフード店、カフェ、持ち帰りの弁当店、宅配専門の飲食店などで働くことができます。ホテルの中のレストランや、病院・介護施設などの給食を作る事業所も、外食業の対象とされてきました。

外食業は特定技能の中でも受け入れが急速に増えた分野で、2026年2月末時点の外食業の特定技能1号の在留者は約4万6,000人に達していました。この増加の速さが、後で説明する受け入れ停止につながっています。

特定技能「外食業」で従事できる3つの業務

特定技能「外食業」で従事できる業務は、飲食物の調理、接客、店舗の管理の3つで、外食業の業務全般にわたって働くことができます。

飲食物調理

飲食物調理は、食材の仕込みや加熱、盛り付けなど、客に提供する料理を作る業務です。調理の技術に加えて、食中毒を防ぐための衛生管理の知識も求められます。

接客

接客は、注文を受ける、料理を運ぶ、会計をするなど、店で客に対応する業務です。日本語での基本的なやりとりが必要になります。

店舗管理

店舗管理は、衛生管理やシフトの作成、食材の発注や在庫の管理など、店を運営するための業務です。2号の外国人は、複数の従業員を指導しながら店舗を管理する役割を担います。

これらの業務に付随して、店内の清掃や食材の運搬などの関連業務を行うこともできます。ただし、風俗営業の許可が必要な店舗での就労や、接待を行う業務に就くことは認められていません。

外食業の特定技能1号を取得する要件

外食業の特定技能1号を取得するには、外食業特定技能1号技能測定試験と、日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストへの合格が必要です。医療・福祉施設の給食製造の技能実習2号を良好に修了した人は、試験が免除される場合があります。

受け入れ企業は、外食業の協議会への加入が必要で、風俗営業の許可を受けた店舗での雇用はできません。報酬が日本人と同等以上であることなど、特定技能に共通する受け入れ企業の条件も満たす必要があります。

ただし、次の章で説明するとおり、外食業の1号は2026年4月から新しい受け入れが止まっています。試験に合格していても、1号を新たに取得できない状況が続いている点に注意が必要です。

2026年4月からの外食業の受け入れ停止

特定技能1号「外食業」は、2026年4月13日から新しい受け入れが停止されています。外食業分野の在留者数が、受け入れ見込数として定められた5万人に達する見込みとなったための措置で、農林水産省と出入国在留管理庁が2026年3月に発表しました。

項目2026年4月13日以降の扱い
海外から呼び寄せる申請(在留資格認定証明書)新たに受理した申請は原則として交付されない
留学生などからの変更申請新たに受理した申請は原則として許可されない
すでに外食業1号で在留中の人の更新通常どおり審査される
すでに外食業1号で在留中の人の転職外食業の別の企業への転職は可能(在留資格の変更許可申請が必要)
外食業の2号への移行通常どおり申請できる

停止の対象は、新たに外食業の1号を取得しようとする申請です。すでに外食業の1号で働いている人の在留期間の更新や、外食業の別の企業への転職、2号への移行は、引き続き認められています。停止の詳しい運用は、出入国在留管理庁のお知らせに掲載されています。

受け入れの再開時期は、2026年10月時点では示されていません。分野の受け入れ見込数は閣議決定で見直されることがあるため、今後の発表に注意する必要があります。

注意点
受け入れ停止の例外として審査される申請もありますが、例外に当てはまるかどうかは個別に判断されます。申請を検討する場合は、在留手続きを担当する行政書士に確認してください。

受け入れ停止後に外食業で選べる3つの採用方法

外食業の新しい1号の受け入れが止まっていても、飲食店が外国人材を採用する方法がなくなったわけではありません。2026年10月時点で選べる主な方法は、次の3つです。

外食業1号で働いている人の転職を受け入れる方法

すでに外食業の1号で日本に住んでいる人は、外食業の別の企業へ転職することができます。転職を受け入れる企業は、外食業の協議会に加入し、本人の在留資格の変更許可申請を行う必要があります。

転職を希望する人は、それまでの職場で働きながら次の職場を探していることが多く、日本での生活や仕事に慣れている点が強みです。ただし、外食業全体の在留者数が増えない以上、転職を希望する人の数にも限りがあり、待遇や職場の環境で選ばれる店である必要があります。

外食業2号の人材を育てる方法

外食業の2号は、受け入れ停止の対象になっていません。自社で働く1号の外国人に店舗管理の経験を積んでもらい、外食業特定技能2号評価試験と日本語能力試験N3以上に合格すれば、2号へ移ることができます。

2号になれば在留期間の上限がなくなり、家族を呼び寄せることもできます。1号の在留者が増えない状況では、今いる人材に長く働いてもらうために、2号を目標とした育成の重要性が高まっていると見ています。

他の分野や在留資格で受け入れる方法

店の業態によっては、外食業以外の分野で受け入れられる場合があります。たとえば、工場で弁当や総菜を製造する事業所は、飲食料品製造業の分野に当てはまることがあります。飲食料品製造業は、外食業と同じく農林水産省の所管で、2026年10月時点で新しい受け入れが可能です。

また、外国料理の専門の調理師であれば、在留資格「技能」で受け入れる道もあります。どの分野や在留資格に当てはまるかは、実際の業務の内容で判断されるため、事前に確かめる必要があります。

飲食店で外国人を雇える主な在留資格

外食業の特定技能1号以外にも、飲食店で外国人が働ける在留資格があります。在留資格によって、働ける時間や仕事の範囲が大きく違うため、採用の前に在留カードで確かめる必要があります。

在留資格飲食店での働き方主な注意点
特定技能1号(外食業)調理、接客、店舗管理に従事できる新規の取得は2026年4月13日から原則停止。在留中の人の転職は可能
特定技能2号(外食業)店舗管理を含む業務に従事できる試験と実務経験、日本語能力N3以上が必要
技能外国料理の調理師として働ける専門の料理の実務経験が必要。接客を主な仕事にはできない
留学(資格外活動許可)アルバイトとして働ける原則として週28時間以内
永住者・日本人の配偶者等・定住者など働く仕事や時間に制限がない在留カードで在留資格と期限を確認する

留学生のアルバイトは、資格外活動許可を受けていれば週28時間以内で働けますが、卒業後にそのまま外食業の特定技能1号へ移ることは、受け入れ停止の間は原則としてできません。卒業後も同じ店で働いてもらいたい場合は、本人の専攻や職歴から、他の在留資格に当てはまるかを行政書士に相談することになります。

外国人を雇うときは、在留資格の種類にかかわらず、在留カードの原本で在留資格と期限、就労の制限の有無を確かめ、ハローワークへ外国人雇用状況の届出を行う必要があります。

給食業務の見直しの動き

外食業の受け入れ停止を受けて、病院や介護施設などの給食を作る業務について、受け入れを再開する方向での見直しが進んでいます。2026年10月の報道によると、政府は給食業務を外食業から飲食料品製造業の分野へ移し、2027年度から受け入れを再開する案を示しました。

病院や介護施設の給食は、利用者の食事を毎日欠かさず提供する必要がある仕事で、人手不足が深刻な現場の一つです。外食業の受け入れ停止で、給食の現場でも新たな人材を確保できない状況が続いていたことが、見直しの背景にあります。

2026年10月時点では、この見直しは案の段階で、対象となる施設や業務の範囲、試験、申請の開始時期などは正式に決まっていません。介護施設などで給食の人材を必要としている事業者は、閣議決定などの正式な発表を待って、受け入れの計画を立てることになります。

外食業の受け入れ停止から見えること

外食業の受け入れ停止は、特定技能の分野ごとの受け入れ見込数が、実際に「上限」として機能することを示した最初の事例です。受け入れが急速に進む分野ほど上限に早く近づくため、外食業以外の分野でも、同じように新しい受け入れが止まる可能性があります。

この事例から言えるのは、特定技能の外国人材を「必要になったときに、いつでも新しく採用できる人材」と考えるのではなく、「今いる人材に長く働いてもらう」ことを前提に受け入れの計画を立てる必要があるということです。住まいや生活の支え、相談の体制、2号への道筋を整えておくことが、制度の変化に左右されにくい人材確保につながると見ています。

特定技能の受け入れでは、新しく採用する方法を探すことと同じくらい、今いる人材が辞めずに働き続けられる職場を整えることが大切になっています。

特定技能外国人の受け入れと定着について相談する

外食業の受け入れ停止を受けて、他の分野での受け入れや、今いる外国人材の定着の方法を検討している企業の方は、株式会社あゆみにご相談ください。受け入れ後の生活支援や相談対応についてご案内します。

問い合わせフォームで相談する

お電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)

株式会社あゆみの特定技能外国人支援

株式会社あゆみは、福岡県みやま市に拠点を置く登録支援機関で、特定技能外国人の受け入れ準備から入国後の生活、入職後の相談までを一貫して支援しています。介護、農業を中心に、飲食料品製造業、宿泊、ビルクリーニングなどの分野の受け入れについてもご相談に応じています。

主な支援の内容は次のとおりです。

  • 受け入れに関するご相談と、必要な準備・支援内容のご案内
  • 入国時の送迎、住居と家具・家電の手配
  • 携帯電話の契約、住民票などの登録手続き、銀行口座の開設のサポート
  • 日本語学習のサポート
  • 入職後の生活上の相談とトラブルへの対応

対応している外国人材はインドネシアとミャンマーの方で、英語・インドネシア語・ミャンマー語で支援を行います。入国に必要な書類の作成は提携行政書士へ依頼でき、在留手続きは行政書士、生活と仕事の支援はあゆみと役割を分けて進めます。

よくある質問

外食業の特定技能の試験に合格した留学生を雇える?

外食業の特定技能の試験に合格した留学生を、外食業の1号として新たに雇うことは、2026年4月13日以降は原則としてできません。受け入れ停止により、留学生などから外食業の1号への変更申請は、原則として許可されないためです。

今働いている外食業の特定技能外国人はどうなる?

今働いている外食業の特定技能1号の外国人は、受け入れ停止の後も働き続けることができます。在留期間の更新は通常どおり審査され、2号への移行や、外食業の別の企業への転職も認められています。

特定技能の外食業で宅配の仕事はできる?

特定技能の外食業では、宅配専門の飲食店で調理や接客の業務を行うことができます。ただし、配達だけを専門に担当することは、外食業の業務として認められていないため、調理や接客などの業務に付随する範囲で行う必要があります。

外食業の受け入れはいつ再開される?

外食業の新しい受け入れの再開時期は、2026年10月時点では示されていません。病院や介護施設の給食業務については、飲食料品製造業へ移して受け入れを再開する案が示されていますが、正式な決定と開始時期は今後の発表を確かめる必要があります。

まとめ|受け入れ停止後の外食業の採用の考え方

特定技能「外食業」は、調理、接客、店舗管理を担う外国人を受け入れる分野ですが、2026年4月13日から新しい1号の受け入れが停止されています。すでに外食業で働く人の更新や転職、2号への移行は引き続き認められており、給食業務については飲食料品製造業へ移して受け入れを再開する案が示されています。

株式会社あゆみは、登録支援機関として特定技能外国人と受け入れ企業の双方を支えてきました。制度の上限によって新しい受け入れが止まることもあるからこそ、今いる外国人材が安心して働き続けられる職場と生活の環境を整えることが、人材を確保し続けるための土台になります。

初めての特定技能外国人の受け入れを相談する

これから特定技能外国人の受け入れを検討している企業の方は、株式会社あゆみへご相談ください。インドネシア・ミャンマーの人材の受け入れ準備から、入国後の生活支援、入職後の相談対応まで一貫して支援します。

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お電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)

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