特定技能の職種一覧|19分野の業務区分と任せられる仕事の範囲を解説
「特定技能の対象になっている業種なら、うちの会社のどの仕事でも外国人に任せられるはず」。特定技能の職種は「介護」「農業」「建設」のような分野の名前で紹介されることが多いため、自社の業種が対象に入っていれば、あとはどの作業でも任せられると考えている経営者の方も多いはずです。
しかし、特定技能外国人の受け入れを支援する登録支援機関として受け入れの相談に応じてきた株式会社あゆみの立場から言えるのは、特定技能で任せられる仕事は、分野の名前ではなく、分野の中の「業務区分」と「従事する主な業務」で決まるということです。同じ分野でも、区分が違えば任せられる作業が変わり、試験も別になります。
本記事では、特定技能の対象19分野と業務区分の一覧、分野ごとの主な仕事の内容、1号と2号で働ける職種の違い、職種を確かめるときの注意点まで、受け入れを支援する立場からお伝えします。
特定技能の職種と分野の考え方
特定技能で外国人が働ける仕事は、「特定産業分野」と、分野の中の「業務区分」によって決められています。特定産業分野は人手不足が深刻な産業の単位で、業務区分はその分野の中で外国人が従事できる仕事のまとまりです。
一般に「特定技能の職種」と呼ばれているものの多くは、この特定産業分野のことを指しています。分野によっては業務区分が一つだけのものもあれば、工業製品製造業のように十数の区分に分かれているものもあります。
外国人が取得する特定技能の在留資格は、分野と業務区分に結びついています。在留カードとあわせて交付される「指定書」に、どの分野で働けるかが記載されており、その範囲を超えた仕事に就くことはできません。
特定技能と技能実習の職種の違い
特定技能の業務区分は、技能実習の職種や作業とは別に定められています。技能実習で行っていた作業が、そのまま特定技能の業務区分に当てはまるとは限りません。
技能実習2号を良好に修了した人が試験を免除されて特定技能1号へ移れるのは、技能実習の職種・作業と特定技能の業務区分が対応している場合に限られます。技能実習生を引き続き特定技能で雇いたい場合は、本人の職種・作業がどの業務区分に対応するかを先に確かめておく必要があります。
特定技能の対象となる19分野の一覧
特定技能1号の対象は、2026年1月の閣議決定で3分野の追加が決まり、19分野になりました。分野ごとの業務区分と、2号の対象かどうか、2026年10月時点の受け入れの状況は次のとおりです。
| 分野 | 業務区分 | 2号の対象 | 受け入れの状況 |
|---|---|---|---|
| 介護 | 区分なし | 対象外 | 受け入れ可 |
| ビルクリーニング | 区分なし | 対象 | 受け入れ可 |
| 工業製品製造業 | 機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理など17区分 | 対象 | 受け入れ可 |
| 建設 | 土木、建築、ライフライン・設備 | 対象 | 受け入れ可 |
| 造船・舶用工業 | 造船、舶用機械、舶用電気電子機器 | 対象 | 受け入れ可 |
| 自動車整備 | 自動車整備など | 対象 | 受け入れ可 |
| 航空 | 空港グランドハンドリング、航空機整備 | 対象 | 受け入れ可 |
| 宿泊 | 区分なし | 対象 | 受け入れ可 |
| 自動車運送業 | バス運転者、タクシー運転者、トラック運転者 | 対象外 | 受け入れ可 |
| 鉄道 | 軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員など | 対象外 | 受け入れ可 |
| 農業 | 耕種農業、畜産農業 | 対象 | 受け入れ可 |
| 漁業 | 漁業、養殖業 | 対象 | 受け入れ可 |
| 飲食料品製造業 | 飲食料品製造業、水産加工業 | 対象 | 受け入れ可 |
| 外食業 | 区分なし | 対象 | 1号は2026年4月13日から新規受け入れを停止 |
| 林業 | 区分なし | 対象外 | 受け入れ可 |
| 木材産業 | 区分なし | 対象外 | 受け入れ可 |
| リネンサプライ | 区分なし | 対象外 | 2027年度以降に開始予定 |
| 物流倉庫 | 区分なし | 対象外 | 2027年度以降に開始予定 |
| 資源循環 | 区分なし | 対象外 | 2027年度以降に開始予定 |
業務区分や受け入れの状況は、分野ごとの運用方針の見直しによって変わることがあります。最新の業務区分と仕事の内容は、出入国在留管理庁が公開している特定技能の各分野の仕事内容で確かめられます。
分野ごとの主な仕事の内容
特定技能の外国人が分野ごとに従事できる主な仕事の内容は、次のとおりです。ここでは受け入れの相談が多い分野を中心に、仕事の範囲と注意点を説明します。
介護
介護分野では、入浴や食事、排せつの介助などの身体介護と、それに付随するレクリエーションの実施や機能訓練の補助などの業務に従事できます。2025年4月からは、一定の条件を満たす事業所であれば、訪問介護などの訪問系サービスにも従事できるようになりました。
介護分野で働くには、介護技能評価試験と日本語の試験に加えて、介護日本語評価試験への合格が必要です。受け入れ人数には、事業所ごとに日本人などの常勤の介護職員の総数までという枠があります。
農業
農業分野は、耕種農業と畜産農業の2つの業務区分に分かれています。耕種農業では、土づくりや種まき、苗の植え付け、栽培の管理、収穫などの作業に、畜産農業では、家畜の飼養管理や、乳や卵などの生産物の取り扱いなどの作業に従事します。
耕種農業と畜産農業は試験が別で、合格した区分の仕事にしか就けません。農業分野と漁業分野は、特定技能の中で唯一、派遣会社を通じた雇用が認められている分野で、農作業の繁忙期に合わせて複数の農家で働く形もとれます。
飲食料品製造業
飲食料品製造業分野では、酒類を除く飲食料品の製造や加工の工程で、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥、包装などの作業と、衛生や品質の管理に従事します。業務区分は、飲食料品製造業と水産加工業の2つに分かれています。
食品工場のほか、スーパーマーケットのバックヤードで総菜を作る仕事なども対象になる場合があります。外食業の新しい受け入れが止まっている中で、店舗ではなく工場などで食品を製造する事業所は、この分野で受け入れられるかを確かめる価値があります。
宿泊
宿泊分野では、ホテルや旅館で、フロントでの受付、館内の案内、レストランでの接客、企画や広報など、宿泊サービス全般の業務に従事できます。業務区分は一つで、フロントから接客まで幅広い仕事を任せられる点が特徴です。
ただし、客室の清掃やベッドメイクだけを専門に行うことはできません。清掃を主な仕事とする場合は、ビルクリーニング分野での受け入れを検討します。
ビルクリーニング
ビルクリーニング分野では、住宅を除く建物の内部の清掃に従事します。オフィスや商業施設、病院などの床や窓、トイレなどの清掃が主な仕事で、ホテルの客室清掃も対象に含まれます。
工業製品製造業
工業製品製造業分野は、特定技能の中で最も業務区分が多い分野で、機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理のほか、紙器・段ボール箱製造、印刷・製本、縫製、家具製造、ゴム製品製造など、17の区分に分かれています。
区分ごとに試験が分かれており、受け入れ企業の事業内容が、定められた産業分類に当てはまることも求められます。自社の製品や工程がどの区分に当たるかは、所管の経済産業省の案内で確かめる必要があります。
建設
建設分野は、土木、建築、ライフライン・設備の3つの業務区分に分かれています。土木では型枠の施工やコンクリートの圧送、建築では内装の仕上げや建築大工、ライフライン・設備では配管や電気通信などの作業に従事します。
建設分野では、受け入れ企業が建設業の許可を受けていることや、国土交通省の受入計画の認定を受けることなど、ほかの分野にはない独自の要件があります。
新しく追加された分野
2024年には、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が追加されました。自動車運送業では、日本の運転免許の取得などを条件に、バスやタクシー、トラックの運転手として働くことができます。
2026年1月には、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野の追加が決まりました。ホテルや病院のシーツ類の洗濯と仕上げ、倉庫での入出庫や仕分け、廃棄物の選別や処理などの仕事が対象になる予定で、受け入れは試験や基準が整った分野から2027年度以降に順次始まります。
特定技能1号と2号で働ける職種の違い
特定技能2号の対象は、1号の19分野のうち11分野に限られています。2号の対象は、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業です。
介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環は、2026年10月時点で2号の対象に含まれていません。介護分野で長く働き続ける道としては、介護福祉士の国家資格を取って在留資格「介護」へ移るルートがあります。
外国人材に長く働いてもらいたい企業は、自社の分野が2号の対象かどうかを、受け入れを始める前に確かめておくことが大切です。2号の対象分野であれば、1号の5年間で指導や管理の経験を積んでもらい、2号への移行を目指す計画を立てられます。
特定技能の職種を確かめるときの3つの注意点
特定技能の外国人に任せる仕事を決めるときは、次の3つの点に注意が必要です。
主な業務に従事させること
特定技能の外国人は、分野と業務区分で定められた「主な業務」に従事することが前提です。日本人の従業員が通常行っている関連の業務を付随して行うことはできますが、関連の業務だけを専門に担当させることは認められていません。
事業所が分野の対象になっていること
分野によっては、受け入れ企業や事業所が、決められた業種や産業分類に当てはまることが求められます。たとえば、同じ食品を扱う仕事でも、工場で製造する事業所は飲食料品製造業、店で調理して提供する事業所は外食業と、分野が分かれます。自社の事業所がどの分野に当たるかを、事業の実態で確かめる必要があります。
合格した試験の区分と仕事が一致していること
外国人が合格した技能試験の区分と、実際に任せる仕事が一致している必要があります。農業で畜産の試験に合格した人を野菜の栽培に従事させることはできず、工業製品製造業でも区分ごとに試験が違います。面接の段階で、本人がどの分野と区分の試験に合格しているかを確かめることが欠かせません。
分野や業務区分の範囲を超えた仕事に従事させると、外国人本人の在留資格に影響が出るだけでなく、受け入れ企業も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。判断に迷う場合は、分野を所管する省庁や、在留手続きを担当する行政書士に確認してください。
自社の職種が特定技能に当てはまるかを確かめる手順
自社の仕事が特定技能のどの分野と業務区分に当てはまるかは、次の手順で確かめると整理しやすくなります。
- 外国人に任せたい仕事を、1日の作業の流れに沿って書き出す
- 書き出した作業が、どの分野の「従事する主な業務」に当たるかを、出入国在留管理庁の分野別の仕事内容で照らし合わせる
- 分野ごとに、受け入れ企業や事業所の業種、産業分類などの要件を満たしているかを確かめる
- その分野と業務区分が、新しい受け入れを受け付けているか、2号の対象になっているかを確かめる
- 採用したい人が、その業務区分の技能試験に合格しているか、または対応する技能実習を修了しているかを確かめる
手順の1つ目で作業を具体的に書き出しておくと、複数の分野にまたがる仕事や、関連の業務の割合が大きすぎる仕事に早く気づけます。たとえば、介護施設で利用者の介助と施設の清掃を両方任せたい場合は、介助を主な業務とし、清掃は関連の業務として日本人の職員と同じ範囲で行う、という形に整理します。
判断に迷う仕事がある場合は、分野を所管する省庁の相談窓口や、分野ごとの協議会、在留手続きを担当する行政書士に確認できます。受け入れを始めてから業務の範囲を直すより、計画の段階で確かめておくほうが、本人にとっても企業にとっても負担が少なく済みます。
仕事の範囲を受け入れ前に共有する意味
特定技能の職種や業務区分の決まりは、受け入れ企業のためのルールであると同時に、外国人本人が「どんな仕事をするために日本へ来るのか」を知るための約束でもあります。受け入れの相談に応じてきた立場から見ると、入職後のすれ違いの多くは、本人が思い描いていた仕事と、実際に任された仕事の内容が違うことから生まれていると感じています。
たとえば、介護の仕事を目指して来日した人が、入職後に清掃や雑務ばかりを任されると、本人の意欲が下がるだけでなく、業務区分の範囲の問題にもつながりかねません。農業でも、栽培の仕事を希望していた人に、長い期間、出荷の箱詰めだけを任せると、同じようなすれ違いが起こります。
事前ガイダンスの段階で、1日の仕事の流れや、最初の数か月に任せる作業、慣れてから任せたい作業を具体的に伝えておくと、本人は自分の仕事の見通しを持って入国できます。職種の確認は書類の手続きではなく、本人と企業が同じ仕事の姿を共有するための準備として行うことが、定着への近道です。
介護・農業分野での受け入れ準備を相談する
自社の仕事が特定技能のどの分野や業務区分に当てはまるか、外国人材にどのような仕事を任せられるかなど、受け入れの準備で迷う点があれば、株式会社あゆみにご相談ください。
問い合わせフォームで相談するお電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)
株式会社あゆみの特定技能外国人支援
株式会社あゆみは、福岡県みやま市に拠点を置く登録支援機関で、特定技能外国人の受け入れ準備から入国後の生活、入職後の相談までを一貫して支援しています。介護と農業の分野を中心に、飲食料品製造業、宿泊、ビルクリーニングなどの分野の受け入れについてもご相談に応じています。
主な支援の内容は次のとおりです。
- 受け入れに関するご相談と、必要な準備・支援内容のご案内
- 事前ガイダンスでの仕事の内容や生活についての説明
- 入国時の送迎、住居と家具・家電の手配
- 携帯電話の契約、住民票などの登録手続き、銀行口座の開設のサポート
- 日本語学習のサポートと、入職後の生活上の相談・トラブルへの対応
対応している外国人材はインドネシアとミャンマーの方で、英語・インドネシア語・ミャンマー語で支援を行います。入国に必要な書類の作成は提携行政書士へ依頼でき、在留手続きは行政書士、生活と仕事の支援はあゆみと役割を分けて進めます。
よくある質問
特定技能で事務の仕事はできる?
特定技能では、事務の仕事を主な業務として行うことはできません。特定技能で働けるのは、19分野の業務区分で定められた現場の仕事です。事務や通訳などの仕事で外国人を雇う場合は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」などを検討します。
1人に複数の分野の仕事を任せられる?
1人の特定技能外国人に、複数の分野の仕事を同時に任せることは原則としてできません。在留資格は分野ごとに許可されるため、別の分野の仕事をさせるには、その分野の試験に合格し、在留資格の変更許可を受ける必要があります。
特定技能の外国人に夜勤をしてもらってもよい?
特定技能の外国人に夜勤をしてもらうことは、日本人の従業員と同じ労働条件であれば可能です。介護の夜勤などでは、日本人と同じように労働基準法の決まりを守り、夜勤の手当も同じ基準で支払います。
特定技能の分野はこれからも増える?
特定技能の分野は、人手不足の状況に応じて見直されており、これまでにも追加が行われてきました。2026年1月には3分野の追加が決まり、19分野になりました。今後も分野の追加や、受け入れ見込数の見直しが行われる可能性があります。
まとめ|業務区分で確かめる特定技能の職種
特定技能で外国人が働ける仕事は、19の特定産業分野と、分野の中の業務区分で決まっています。同じ分野でも区分によって任せられる作業や試験が異なり、2号の対象となるのは11分野に限られます。外食業のように新しい受け入れが止まっている分野や、2027年度以降に受け入れが始まる分野もあり、最新の状況を確かめる必要があります。
株式会社あゆみは、登録支援機関として特定技能外国人と受け入れ企業の双方を支えてきました。自社の仕事がどの分野と業務区分に当たるかを確かめ、本人に任せる仕事の姿を受け入れ前に共有しておくことが、外国人材が力を発揮し、長く働き続けるための準備になります。
初めての特定技能外国人の受け入れを相談する
これから特定技能外国人の受け入れを検討している企業の方は、株式会社あゆみへご相談ください。インドネシア・ミャンマーの人材の受け入れ準備から、入国後の生活支援、入職後の相談対応まで一貫して支援します。
問い合わせフォームで相談するお電話でのご相談:070-8461-0588(9:00〜22:00)
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